不正咬合は上顎の幅が狭い
不正咬合の人は、上顎の幅が狭いという論文である。

 

Ning R, Guo J, Li Q, Martin D. Maxillary width and hard palate thickness in men and women with different vertical and sagittal skeletal patterns. Am J Orthod Dentofac Orthop. 2021. doi:10.1016/j.ajodo.2019.12.023

 

上顎を拡大する治療の重要性につながる。

 

また、それを診断する方法にいても、研究が進んでいるらしい。

CTの普及がそれを後押ししている。

 

Zhang C, Tan X, Wu W, et al. Reliability of 2 methods in maxillary transverse deficiency diagnosis. Am J Orthod Dentofac Orthop. 2021:1-8. doi:10.1016/j.ajodo.2020.02.019


 
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小顔と顎関節異常

下顎が小さい人(skeletal Class と言います) は、顎関節に異常をきたしている。

そして、さらに下顎が小さい(細い)人( dolicofacial と言います)で、その傾向がより強い。

という論文である。

つまり、「小顔」は良いのか? というところでしょうか。

 

John ZAS, Shrivastav SS, Kamble R, Jaiswal E, Dhande R. Three-dimensional comparative evaluation of articular disc position and other temporomandibular joint morphology in Class II horizontal and vertical cases with Class I malocclusion: A magnetic resonance imaging study. Angle Orthod. 2020;90(5):707–714. doi:10.2319/121519-801.1


 
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歯並びが悪い人は、上顎が小さい
 歯が重なったり捻れたりしている人は、上顎骨のベースの幅が狭いという論文である。ただし、下顎骨のベースはそうでもない(臼歯が内側に傾斜している)。
 そうだとすれば、上下顎のバランス(幅について)をとるためには、上顎骨のベースの拡大が必要である。(下顎は臼歯の頬舌的アップライトで対応)。
 それは、主として上顎急速拡大装置によって、達成可能である。
 裏を返せば、スペース獲得目的のための小臼歯抜歯(便宜的)だけでは、必ずしも形態的に改善しないということである。小臼歯非抜歯矯正治療でも同様である。

Crossley AM, Campbell PM, Tadlock LP, Schneiderman E, Buschang PH. Is there a relationship between dental crowding and the size of the maxillary or mandibular apical base? Angle Orthod. 2020;90(2):216-223. doi:10.2319/051019-324.1


 
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不正咬合と喘息の関係
「上気道の狭窄と、喘息が関連している」と言う報告である。
上気道狭窄は、上顎骨を含めた顎骨の発育不良である。
そして、それらは不正咬合につながっている。
つまり、不正咬合は、喘息と関連していると言うことができる。

Bandeira AM, Oltramari-Navarro PVP, de Lima Navarro R, de Castro Ferreira Conti AC, de Almeida MR, Fernandes KBP. Three-dimensional upper-airway assessment in patients with bronchial asthma. Angle Orthod. 2014;84(2):254-259. doi:10.2319/030113-176.


 
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乳歯列期に、永久歯列の不正咬合が予測できる
乳歯列期は、永久歯が生える前の段階で、乳歯列→混合歯列→永久歯列の順である。
通常6歳前後に永久歯が生え始め、混合歯列期に入る。
乳歯列期において不正咬合であれば、永久歯列も不正咬合になる。

Peres, K. G., Peres, M. A., Thomson, W. M., Broadbent, J., Hallal, P. C., & Menezes, A. B. (2015). Deciduous-dentition malocclusion predicts orthodontic treatment needs later: Findings from a population-based birth cohort study. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 147(4), 492–498. doi:10.1016/j.ajodo.2014.12.019

 

       例えば、6歳頃は、乳歯よりも大きい永久歯が生えるために、乳歯間に隙間があるのが正常です。乳歯間に隙間がなかったり、乳歯が重なったりしている状態は、明らかに顎が小さいということす。

 

 


 
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成長期の矯正治療と鼻機能の改善
成長期に上顎骨の幅を大きくする矯正歯科治療(上顎の急速拡大 ; rapid maxillary expansion)を行うことで、鼻の粘膜の機能が改善する(あるべき状態になる)というものだ。
鼻の機能の中に、吸い込んだ異物を取り除くという働きがある。「空気清浄機能」である。そして、綺麗な空気を肺に送り込む。その異物は、鼻の粘膜の働きで洗い流される。


Babacan, H., Doruk, C., Uysal, I. O., & Yuce, S. (2016). Effects of rapid maxillary expansion on nasal mucociliary clearance. The Angle Orthodontist, 86(2), 250–4. 




 
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メタボリック・ドミノ
メタボリックシンドロームなど生活習慣病が国民の大きな関心事であるが、疾患は末期になって治療しても手遅れである。健康を損なう前に対処しなければならない。疾患の進行を川の流れに例えると、健康を損なう前とは川の上流のことである。川の上流部分に、歯科医学が位置づけされると考えられる。そこには栄養摂取に関わる咀嚼や咬合があり、重要なのは口腔内細菌でそれが生体にさまざまな影響を与えていくことが近年解明されてきている。(花田信弘2010、鶴見大学歯学部教授)

つまり、栄養摂取や口腔機能が口腔内細菌に影響し、メタボリック・ドミノがはじまる。
むし歯、歯周病は、かなり上流に位置している。
それらには、発育期の食習慣、口腔機能の発達(不正咬合と表裏一体)が強く関与している。源流ともいえる。
発育期の矯正歯科治療の重要性がわかる。

 
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進化医学(リーバーマンを読んで)
リーバーマンによると、人類の文化的進化が様々な病気の原因になっているという。
文化的進化は、生物学的進化とは区別され、人類特有のものだ。
大きな文化的進化は、農業の開始(約600世代前)と産業革命(18世紀)に起こっている。
人類誕生600万年からみると、とても急激な変化である。
とりわけ食事の変化が重要だ。
それに関して、身体はほとんどが適応的だが、そうでない部分もあり、それが多くの現代の病気につながっているという。
ある種のガンや心筋梗塞をはじめ、むし歯や生えない親知らず(顎骨の発育不良)などがそうだ。
原因(環境、習慣)の改善をせずに、医学や科学技術でうまく対処した場合、次の世代に継承してしまう危険性があることを唱えている。
リーバーマンは、ハーバード大学教授で、進化生物学が専門だ。これらは単なる「物語」ではなく、多くが裏付けのあることである。
この著書では、人間の体と病気に関する根源的な捉え方がなされている。医学の立ち位置をあらためて考えさせられる。

 
子供の睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome, SAS )は、大人だけのものではない。
顎顔面の発育不良が、子供のSASに強く関わっていることがわかってきた。
顎が小さく、顔の細長い子供(hyper-diversent, long-face, high-angleなど、いろいろな呼び方がある)に多い。つまり、不正咬合の子供はSASを伴うことが多いということである。以下は、システマティックレビュー(同じ事柄の論文をまとめて整理した論文。多くの研究者により多くの研究がなされないとできない。)である。

Katyal, V., Pamula, Y., Martin, A. J., Daynes, C. N., Kennedy, J. D., & Sampson, W. J. (2013). Craniofacial and upper airway morphology in pediatric sleep-disordered breathing: Systematic review and meta-analysis. American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics : Official Publication of the American Association of Orthodontists, Its Constituent Societies, and the American Board of Orthodontics, 143(1), 20–30.e3. doi:10.1016/j.ajodo.2012.08.021

 


 
ファストフードと喘息、鼻炎、湿疹
格付けの高い英医学専門雑誌「Thorax(呼吸器内科、impact factor 8.562)」に掲載された論文である。
「ファストフードは、子どもが喘息、鼻炎、湿疹を引き起こすリスクを高める」というものだ。
ただ、その機序は明らかになってはいない。

Ellwood, P., Asher, M. I., García-Marcos, L., Williams, H., Keil, U., Robertson, C., & Nagel, G. (2013). Do fast foods cause asthma, rhinoconjunctivitis and eczema? Global findings from the International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC) phase three. Thorax, 68(4), 351–60. doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202285


ここで言うファストフードは、おそらく軟食である。
顎顔面の発育不良を引き起こしているはずだ。
気になるところである。

 
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